あさぎり通信R-2 朝霧高原からスイスへ

 静岡県立朝霧野外活動センター指定管理4期4年目となる、令和5年度がスタートしました。新しい仲間を迎えて新体制となり、気持ちも新たにセンターの運営管理に努めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

ミツマタの冬芽
ミツマタの花

 今年の朝霧高原の春の訪れは例年より早く、フジザクラは新緑になり、濃いピンク色のミツバツツジも新芽に変わりつつあります。キャンプ場ではミツマタの黄色い花も咲きました。冬芽との違いをご覧ください。 (左:冬芽/右:花)




 さて、令和5年度になって間もない4月9日(日)、静岡県オリエンテーリング協会主催、朝霧野外活動センター共催の「富士山麓オリエンテーリング大会2023」が開催されました。当センターにとって新年度になって最初の大きな事業です。この大会は、世界オリエンテーリング選手権(WOC)及びジュニア世界オリエンテーリング選手権(JWOC)の日本代表選考会となっていて、日本ランキング・全日本大会M/W20E権取得・年齢別ランキング対象レースでもあります。
 小学校4年生から92歳のオリエンティアが、北は北海道、南は九州、そして海外からは韓国、スウェーデン、ノルウェーと総勢約600人の選手が集いました。(全日本クラスの大会が600人規模だということですので、それに匹敵する大会です。)
 競技エリアは、国道139号と毛無山に挟まれた根原地区で、北は山梨県境、南は道の駅朝霧高原の西側あたりです。ここは富士山の溶岩流によって形成されたほぼ平坦な場所ですが、凹凸が多数点在し、植林地や雑木林、ススキの草原等変化に富んでいるので、高いナヴィゲーション力が求められます。
 参加者はセンターに集合して、バス&徒歩でスタート地点に向かいます。競技形式はポイントオリエンテーリングで、10:00から1分間隔で順次スタートです。(最終組は12:28スタート、全149組)

 スタート地点はうっそうとした杉林の中で、そこにタイマーの電子音だけが響き、合図とともにクラス別に5人ずつスタートコントロール※を目指して駆け出していきます。さながら陸上競技のスタートダッシュのようです。       ※オリエンテーリングではチェックポイントのことをコントロールといいます。

 平坦な道に出て、100mほどでスタートコントロールがあります。そこからはクラス別にコースが分かれ、次のコントロールを目指し林の中に入っていきました。地図とコンパスを頼りに、凹凸のススキ原、杉・ヒノキ・雑木の林を駆ける選手の姿を想像してください。

 男女合わせて全25クラスあり、それぞれ距離・コントロール数・回る順序等は違いますが、フィニッシュ地点は根原分校グラウンドです。グラウンドでは富士山が出迎えてくれました。最初にゴールに飛び込んできたのは、M20Eクラスの選手でした。時刻は10:36、14番スタート(10:14)でしたから、22分ちょっとのタイムです。1分間隔の時差スタートですから、トップゴール者がそのまま1位になるとは限らないのがオリエンテーリングの面白さで、最終スタート組の選手がゴールするまでドキドキしながら待つことになります。
 全員がゴールし、結果が出たところで表彰式です。表彰式はセンターの富士見テラスで午後2時から行われ、チームやグループ、主催者が一体となって和やかな雰囲気の中で進められました。結果の詳細は、公式ウェブサイト「富士山麓オリエンテーリング大会(https://omf.o-support.net)」をご覧ください。
 表彰式の後、世界選手権代表選者が発表されました。選考対象クラスは、M21E、W21E、M20E、W20Eにエントリーした選手で、本大会の1位・2位がそのまま代表になり、残りの席はこれまでの実績を考慮して選考するとのことでした。ちなみに、全体最初のゴール者は、M20Eクラスで2位でしたので、ジュニアの代表に選出されました。
オリエンテーリングの世界選手権は、この夏にスイスで開催されます。選考された選手は、「チーム一丸で取り組んでいきたい。」「また練習を重ね、本番に備えたい。」と意気込みを語っていました。朝霧高原を駆け抜けた選手たちがスイスの地で活躍することを心から願っています。

 この日は朝から天気もよく、フジザクラ・ミツバツツジは満開、富士山も一日中眺めることができ、遠方から参加した選手も満足していただけたかと思います。
 当センターは、ナヴィゲーションスポーツを普及していくために、「Asagiri Navigetion Park構想」を展開しています。そのために、「はじめてのナヴィゲーションスポーツ」「富士山麓ロゲイニング2023」「オリエンテーリングin朝霧」など、初心者から競技者レベルまで様々な方たちが楽しめる事業を開催しています。共催である本大会もその一つと位置付けてあり、この朝霧高原からナヴィゲーションスポーツが広がっていくよう尽力していきます。